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• 山岳都市ランデルト
  • 都市の構造
  • ランデルトのさらに奥 (プレイヤー情報)

山岳都市ランデルト

　元々は鉄ドワーフの地下都市だったが、鉄鉱脈が尽きたために廃棄された。350年ごろ鉄ドワーフは現在の都であるメナフィを完成させているので、それ以前に廃棄されたことになるが具体的な年までは分かっていない。
　その後 400年過ぎから廃棄された都市を根城にして、ならず者が集まるようになった。時として周辺とのトラブルがあった模様だが、元々 人が住んでいる地域ではなかったため、次第に犯罪者が逃げ隠れる街としても知られるようになる。ただ、街独自の掟のようなものは存在しており、人々をまとめる"頭領"と呼ばれる人物がいることは知られていた。
　また比較的距離が近いことからか、南方ウィングの都市ネハースリッグとも商業的な取引を行っている唯一の都市となっている。こうしたことからランデルトを訪れる商人がたまにおり、そうした外部の者が宿泊できる施設が都市の外縁部に設けられている。しかし何の理由もなしに「犯罪者の巣窟」とも言うべき都市の内部に深入りする者はいない。

　ビステム王国が不穏な動きを見せる500年代に入ってからは、その動きに公然と対向するディス公国とオッフレング王国に味方する存在として、ギルスを頭領とするランデルトの勢力も認められるようになってきた。ディス公マリエルや、オッフレング国王ケリングは、かつて冒険者として世界中を旅しているが、ギルスもその仲間の一人であったことがよく知られている。
　ギルスは圧倒的な統率力で、ならず者集団といわれていたランデルト勢をまとめあげ、他国の人々ともトラブルを起こさずに、対ビステム王国包囲網を構成する勢力としてランデルトを引き上げた。

都市の構造

　ランデルト自体はドワーフが築いたこともあり、地下都市である。しかし、この街を訪れる外部の者が地下部分に入ることは無い。地上部分には外部の人たちでも安全に出入りできる区画が作られており、そこで用事は事足りるからだ。
　過去に犯罪者が集まる場所となっていたランデルトだが、その子孫が引き続きこの街に住んでおり、その中でも争いを望まない人々が、この地上部分に住んでいる。

　地下への入り口付近は、文字通り無法地帯と化している。ここは裏組織の勢力争いが頻繁に行われ、盗みや殺しといったことも日常茶飯事となっている。何の理由もなしに、そこに足を踏み入れるのは無謀なことだし、たとえ理由があったとしても、相当の覚悟が無いと、内部へと入ることは出来ないと思ったほうが良い。
　ランデルトを訪れる一般の人々の間でも「奥に立ち入るのは危険」というのが常識となっている。

　比較的安全な地上部分と、危険であるため中の詳細は不明な地下部分が存在するランデルトだが、地下部分のならず者が、地上部で騒ぎを起こすことは無い。これは互いに干渉をしないという不文律があるためとされ、実際 そのような節がある。

ランデルトのさらに奥 (プレイヤー情報)

　ここからはランデルトに住んだ経験のある者しか分からない情報となる。住んで日の浅い者や、秘密を守れそうにないと周囲から思われている者は、ここに書かれたランデルトの新の姿を知らないままのことも多い。秘密を知るものは少ないほうが良いのだ。

　地上部と地下部の住人が互いに干渉することはしない、という不文律は確かに存在する。ただし、これを定めたのは もう一つの勢力であり、その勢力こそがランデルトの実権を握っている。その勢力とは獣人と呼ばれる種族の人々で、地下部の大半は彼らが住む区画となっている。
　つまり「主に過去に入ってきた犯罪者たちの子孫」で形成される"日下(にっか)区画"、「現実に裏組織に属する犯罪者」が多く潜伏する"関門区画"、獣人たちが生活する"月下(げっか)区画"という３つがランデルトの構成であり、月下区画の大きさとそこに住む者の数は、残り２つの区画のそれを遥かに凌駕している(この区画名は獣人たちが通称しているもので、一般の人は"地上"と"地下"という２つの区画しか意識に無く、"地上"が"日下区画"・地下"が"関門区画"の意味合いであり、"月下区画"の存在自体 知られていない)。

　この３つの区画には、それぞれ代表者がいる(関門区画の代表者はころころ入れ替わるようだが)。そして互いに非干渉と共存の協定を結んでいる。実際は"日下"と"関門"の両区画にいる人々は、"月下区画"の人々の許可を得て都市に住んでいる、という構造である。同時に"月下区画"の人々・・すなわち獣人たちは自分たちの秘密を守る代わりに犯罪者であろうと受け入れているという共存の構造でもある。
　"月下区画"の代表者は"頭領"と呼ばれており、これがランデルト全体の意思を決定する権限を持っている。頭領は"月下区画"だけでなく他区画にも自分が滞在できる屋敷を持っているが、他区画に住む人々への独裁的な権力を持っているわけではないので、彼らの意向をあまりに無視するような裁定は行わない。共存共栄が原則なのだ。

　500年代に頭領となったギルスは"日下区画"はもちろん"関門区画"に住む人々からも一目置かれており、彼に限っては全都市を上げた行動が可能な力を持っている。
　ギルス自身は灰色熊の獣人で、髪の毛が銀色に近い灰色のため西方出身者とよく間違われた。しかし金色の瞳であることから南方の血を引くことがすぐに分かる。もっともランデルトの"関門区画"には世界各地から人が出入りするため、様々な混血が進んでいるのが実態である。

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