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幻想世界リアスターグ/地理/南方/精霊船団カンリダ

Fantasy Hazard Reincarnaton revision 3
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幻想世界リアスターグ地理南方精霊船団カンリダ

精霊船団カンリダ

 大海の精霊と盟約を結んだ精霊剣士の一族。南方北部、バリドースの東角と西角に挟まれた形になっている湾内を拠点とし、そこに無数の船を浮かべて、その上で暮らしている。この湾内は彼らのものという暗黙の了解があり、非公式ではあるが "カンリダ海"と呼び習わされている。ビステム王国でさえも、彼らと正面から事を構えるつもりは無いらしく、お互いに非干渉という態度を貫いている(強大な軍艦をそろえることが出来たとしても、大海の精霊の力を振るう一族に対抗は出来ないのだ)。

 この一族がいつごろからこうした海上での生活を始めたのかは定かではない。ガーランド戦役では人々と共に世界を守る戦いに馳せ参じていることが確認されているが、それ以前どうしていたのかを記憶している者は少ない。
 ただ、カンリダ海に関して伝わる古い伝説では、この海は人が入ることを許されない領域で、これを破った者は二度と戻らない魔の海域とされていた。ガーランド戦役以後、この海にはカンリダ一族の船団が姿を現すようになり、それと共に ここが魔の海域であるという情報は絶えていったことから、元々は、身を隠すために"魔の海域"を作り出す排他的な集団だったのではないかと推測されている。

 480年のミシェイラ討伐戦では、船団ごと壁となって ミシェイラと正面から戦い、船団に多大な被害を受けつつも、ミシェイラに大きな痛手を負わせた。魔族の手先となったミシェイラの本来の目標は神聖都市グリアテールだったが、カンリダ一族に阻まれて、進路を逆に取ったのである(残念ながら深刻な被害のために船団による追撃が鈍り、ディス公国やアンフェナなどが煽りを食らうことにはなったが)。ラノス教団は彼らの働きに、その後も感謝の念を絶やすことは無く、今でもカンリダの精霊剣士に対しては、信者と同様の無償の援助を惜しまないという。

 現在に至るまで、カンリダの一族の殆ど全てが船の上で生活を続けている。帝国の水上都市チュイラスと似通っているが、カンリダは今でも"船団"であり、必要に応じて海の上を自由に移動できる点が大きく異なっている。水の力を使う一族は、海流があろうと嵐があろうと、自分たちが進みたい方向へと自由に船を操れるという。こんな人々に海戦を挑むのは無謀というほかなく、結果として敵対する勢力の干渉を受けずに済んでいる。

 そんな彼らだが、18歳になるまでに一度は船団を出て、外の世界で暮らすことが掟として定められている。一度、外に出た後 いつ戻るのかは本人の意思にゆだねられているが、一度 船団に戻ったら、族長の許可無く船団の外へ出ることは出来なくなる。このため、一度外に出た後、戻らないことを選択し、外で一生を終えた例もあるらしい(掟に逆らっているわけではないので、これが咎められることは無い)。
 船団で育った子供たちは、時折 外から帰ってくる人々の土産話を楽しみにしており、幼い心を船団の外へ向けるという。ただし、18歳になっても精霊剣を使いこなせない場合、それを御せるようになったと認められるまで外に出ることは許されず、これは大変な屈辱とされている。

 大海の精霊剣士である彼らは、主に氷の斧と、流れる水の衣をまとって戦う。武器も防具も半透明の彼らが戦う姿は、見る人の目を魅了すること疑いない。南方では、精霊闘士バリダと共に、精霊の力を振るって戦う彼らの力は頼りにされている。彼らのような力が、まだまだ必要であることが、南方の情勢を象徴しているのかもしれない。


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最終更新時間:2008年03月11日 01時18分08秒

Jade Moon