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• ジデニア王国
  • 統治体制
    • 国王
  • 主な都市
    • シリアム=ジデニアス
  • 主な組織・機関
    • 香辛料取引所

ジデニア王国

　南方の東部に領土を持つ王国。この地域でしか栽培が出来ない香辛料を王家が独占的に取引することによって栄えている。また、その独占取引を守るため、徹底的な鎖国体制を敷いている。

統治体制

　元々この地方では独特の香辛料が取れることが ごく一部で知られていた。北方商人がこれに目をつけ、全世界で売り出した結果、香辛料の存在は広く知られて人々に求められるようになった。

　初期の段階から北方商人が取引を独占しており、その独占を確かなものにするために、462年、大ギルドが全面的な支援を行って王家が樹立された。このため、他の国とは王家の性質が多少異なっている部分がある。

　王都はシリアム=ジデニア。大規模な港を持っており、その港湾区画は国外から訪れた者が足を踏み入れることが可能な唯一の区画となっている。この区画とさらにその先には非常に高い城壁が築かれており、内外の者が互いの様子をうかがい知ることは出来ない。ジデニア王国領は王都を除くと山岳地帯に囲まれており、ここも王国に雇われた腕利きの傭兵や自警団によって厳しく出入りが監視されている(魔法による警戒網もあると言われている)。
　王国樹立当初は、かなり厳しい独占取引と鎖国政策が敷かれていたが、2代目の国王が即位してからは、多少それが緩和され、それに伴った内部の様子もある程度は分かるようになってきた。

国王

　国の最高権力者。大ギルドの意を受けた北方商人が移住して、ジデニア王家樹立を宣言した。樹立が462年でリアスターグで もっとも若い国家といえるだろう。

リハール (462-472)

　初代国王リハールは王家樹立と共に、香辛料取引を安定独占するための施策を幾つか実施した。その中で最も大きなものが「完全な鎖国」である。つまり国内に外部の者が立ち入ることも、国民が外部に出ることも厳しく制限した。
　リハール王は鎖国による不満が上がることをある程度は予測しており、国民を懐柔する方法をよく知っていた。国民が課せられた生活上の新たな制限はそれぐらいで、香辛料を王家に納めさえすれば、それ以上の徴税や労役は課さないし、必要以上の生活的な保証も行うことで、その不満を逸らした。
　王国樹立以前に比べて、人々の生活水準は格段に上がり安定したことから、王家の政策は受け入れられ、リハールの指揮の元、完全に王家によって香辛料取引は独占された。この過程で北方商人が得た利益は莫大なものがあった。
　リハールは10年間 国王の地位にあったが、高齢を理由に第1王子シャーンに王権を引き継いで退位した。退位後は、国内を何度も巡回して王政の維持を影から支えた。人々の前にもよく姿を現し親しまれながら、480年に天寿を全うした。

シャーン (472-)

　リハールの商人としての才能と人脈を受け継いで２代目の国王として即位した。自身ももちろん優れた商才を持っていたが、それ以上に彼は人を見る目が優れているといわれる。妹である第3王女のリエーヌが、自分以上に機を見る才能があると認めた彼は、香辛料取引の全権をリエーヌに預け、彼女が思う通りに施策を行える環境を整えた。これにより、リエーヌは自分の才能を如何なく発揮でき、香辛料取引所の設置と、それによる取引の拡大が実現できた。　リエーヌがヴィシュ家の養女として引き取られて以降は、彼女の意図をよく理解して、香辛料取引所を中心とした経済政策を展開して、国内を安定させている。極端な鎖国政策を一部緩和して、国民が香辛料の持ち出しを行わない限り 国外に出ることも許可した。

　国王以外にどのような体制で国が運営されているのかは はっきりしていない。国の治安については、その豊富な財力で傭兵を雇ったり、国民から兵を募ったりして保っているらしいが、ここで雇われていた傭兵が国内の様子を語ることも無いので、やはり内部の実情は分からないというのが現実である。

主な都市

シリアム=ジデニアス

主な組織・機関

香辛料取引所

　シャーン王の支持のもと、第3王女リエーヌが設立した香辛料取引の場。北方商人だけが香辛料取引をできるという状況は、次第に他の商人達の間で不満の種となり始めていた。ビステム王国やオッフレング王国といった南方でも有力な国家が香辛料取引の機会拡大を暗に求め始めたことから、その対策として この香辛料取引所が設立された。
　ここでは国内から納められた香辛料の一定割合数が、北方商人でなくても取引可能となっており、世界各地から香辛料を求めて商人が集まるようになった。ここで取引されなかった分については、引き続き北方商人の取り分として確保されているが、王家としての収入はさらに拡大する結果となっており、取引所の設立は大成功であった。

　様々な大義名分があるにしろ、北方商人の儲けが減るということに間違いは無かったが、ジデニア王家は正式に大ギルドに加盟し、香辛料によって得た収入の一部をギルドに納めるようにすることで、北方の不満をかわしている。大ギルドへの加盟もリエーヌの進言による。

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