FrontPage/ランク2/パンツァードラグーン シリーズ

チームアンドロメダ(セガ)による独特の世界描写が光るシリーズ。

パンツァードラグーン シリーズ

• パンツァードラグーン シリーズ
  • 退廃感ただよう世界を飛ぶ
  • 突然の復活？

　１作目はセガサターンのローンチタイトルの１つでした。その後、続編が「ツヴァイ(ドイツ語の２ですね)」という名を付けられたことから、１作目は「アイン(ドイツ語の１です)」と呼び習わされるようになりました。以後、これに倣って １作目を「アイン」という呼びます。

　全編を通じて独特の退廃的な世界観が印象的なシリーズ作です。このゲームの世界は、古代に発達した文明があった世界、その遺産ともいうべき攻性生物によって人類は緩やかに生活圏を奪われ滅びつつある・・そんな世界で、"ドラゴン"と呼ばれる最強の攻性生物の背に乗り、敵対する攻性生物やそれらを利用しようとする勢力と戦う・・これが基本ラインとなるゲームです。
　私個人としては「パンツァー語」と呼ばれる独特の言葉が使用された歌を交えたサウンドがとにかく印象に残っています。どこかアジアっぽい雰囲気を残したエキゾチックな曲調は ちょっと他では聞いたことがありません。ここまで独特の世界を作り上げることに成功したゲームというのは、なかなか無いように思うのです。

退廃感ただよう世界を飛ぶ

　最初の２作は、ドラゴンの背に乗って戦う3Dシューティングで、まさに360度全方位から敵が襲い掛かるというものでした。だから、その出現パターンなどをきちんと覚えていなければ、わけが分からないままダメージを受けて撃墜される・・そういうシビアさを持っています。しかしながら、そのパターンを覚えていくことで、どんどん美しいアクションをこなせるようになります。そのバランスが非常に良いことで評価を得ていました。
　特に「ツヴァイ」は「アイン」と同じ機種で作られたとは思えないぐらい、ビジュアル面で大幅なパワーアップをしており、セガサターンのポテンシャルが如何なく発揮されていました。テンションが上がりまくりのBGMも非常に評判が良いです。

　そんなシリーズ作ですが、セガサターンが消え去る間際、突如として RPGとして新作がリリースされました。これが「AZEL」です。なぜシューティングにしなかったのか？ という声が無いではなかったのですが、ふたを開けてみると その戦闘シーンは 実にパンツァードラグーンっぽく、シューティングの「ギリギリで弾を避けるスリル」を存分に再現した素晴らしいシステムになっていました。
　またじっくりと世界を歩き回ったりできることで、パンツァードラグーンの世界観をより深く感じ取ることが出来、このタイトルで世界のあらましや攻性生物とはどんなものなのか？という理解を深めることが出来ました。だから、毛色がどんなに違っていても、これはパンツァードラグーンのシリーズ作であると私は認められました。
　ビジュアル的にはすべてがポリゴンで描かれ、デモムービーとの違和感も無く、特に考えずにドラゴンの背中に乗って飛び回るだけでも、充分な飛翔感を感じることが出来るようになっていました。
　サウンド面でもシリーズ作の雰囲気を忠実に踏襲しており、特にテーマともいえるメロディラインは、10年を経た今でも私の脳内に刻み込まれているほどです。だから、私のこのタイトルに対する印象は非常に良好なのですが、やはりシューティングを期待した人が敬遠し、RPGが好きな人はシューティングの延長だろ？と敬遠し、挙句 CMが せがた三四郎による内容がさっぱり分からないものだったりと、微妙な扱いだったようですね。
　また、そのエンディングに関しては、当時 賛否両論だったようです。私は素直に「へえ」と思いましたが、当時 受け入れがたいと感じる人も結構いたようですね。でも、もし、このタイトルをやる機会があったなら、自分の名前は素直に入力することをお勧めします。

　このタイトルを最後にチームアンドロメダは解散し、以後シリーズ作は もう出ないだろう・・と言われていました。が、しかし！

突然の復活？

　５年以上の時を経て、なんとXBで新作が発売されたのです。私がXB購入を決意したきっかけでもありました。新作は元と同じく 3Dシューティングですが、ドラゴンの背中に乗るのは女の子になっていました。
　実際にやってみると、そこはいつもどおりのパンツァードラグーン世界であり、XBになったことで、ビジュアルもサウンドも遥かにグレードアップしたのでした。システム的には特に弄ることなく(それほど完成されていたともいいますが)、セガサターン版から何の違和感も無くプレイできたことに喜びを感じつつ、飛行することを楽しめました。
　ステージを進めるにつれて、このタイトルは「AZEL」の正当な続編であることがはっきりと分かるようになっています。

　このシリーズ作は、一度クリアすると「パンドラボックス」というのがゲーム開始時のメニューに追加されます(パンツァードラグーン 略して "パンドラ" ですね(笑))。以後、プレイ時間などに応じて設定資料などが見れるようになるのですが、「ORTA」のパンドラボックスでは、なんと「アイン」が遊べるようにもなっていました。さすがに今見るとかなりグラフィック的には劣るものですが、ゲーム性は何も変わっていないことがよく分かります。