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• 精霊闘士バリダ

精霊闘士バリダ

　大空の精霊と盟約を結んだ精霊剣士の一族。ソラジアの器の南東、バリドース河の源流近くに彼らの里はある。そもそも河の名前 "バリドース"は、この一族の名 "バリダ"から取られたものであり、その里が相当に古くからそこにあることの証明でもある。

　その二つ名の通り、この一族の多くは戦いに身を投じている。南方は戦乱がまだ耐えない地域でもあるし、そもそもソラジアには魔物が徘徊しており一般人が歩くには危険なところも多いから、彼らの力は頼りにされている(この扱いの違いは、同じ精霊剣士の一族である、西方のジェスリダとはかなり異なっている)。
　いざ精霊の力を使うときは、風の鎧を身にまとい、雷を操るが、彼らは自分たちの力を振るいすぎることを戒めており、可能な限り自分の力だけで戦うようにしている。つまり、精霊の力なしでも充分に優秀な戦士なのである。

　傭兵として南方各地を転戦している人々も多く、同族同士が相対することも珍しくない。その場合でも彼らは全力で目の前の"敵"を倒しに掛かる。同族の戦いは一対一を基本としており、他者が戦いに介入することを極端に嫌う。無論、激しい力と力のぶつかり合いであり、その間に割って入るのは命の危険を伴うのだから、敢えて介入するというのであれば、よほどの覚悟と実力が必要ではある。

　彼らの行動理念は「より強いものと戦い、武を極めること」にある。このため、戦いによって得られる報酬の大小をあまり気にしない。それどころか、命の危険があるような戦いの中に身をおくことこそが、彼らにとっては何よりの報酬なのである。
　また、一度 戦いにおける立場がはっきりしたら、容易に裏切ったりはしない。その高潔さゆえに、南方で彼らと共に戦うことを望む戦士や、彼らを雇いたいと望む人々は多い。

　434年の帝国による南方干渉や、480年のミシェイラ討伐戦でも、南方側の諸国家に雇われて戦い、南方を守るために尽力した。圧倒的な戦力差を持った帝国軍との戦いにもひるまず、精霊の力でそれを退けた姿に南方の人が受けた感銘がどれほどのものだったのか計り知れない。今も南方の子供たち(特に少年)にとって、彼らは憧れの存在なのだ。

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